アパレル業界はファッションに関わることができる仕事のため、おしゃれに敏感な女性に人気の業界です。ただ、華やかそうなイメージが強いアパレル業界には、厳しい一面もあるようです。
今回は、アパレル業界の現状や「きつい」と言われる理由について解説します。
アパレル業界は慢性的な人手不足にあり、それによって労働環境や働き方に不満を感じている人が多いと言われています。そのため、アパレル業界は離職率が高く、さらに人手不足に拍車をかける事態に陥っている企業も少なくありません。
また、コロナ禍によって利益が少ない店舗やブランドは閉鎖に追い込まれるなど、アパレル業界全体に暗いニュースが目立っているのが現状です。
厳しい問題を抱えるアパレル業界ですが、近年は多様な働き方を導入する企業も増えてきています。フレックスタイム制やテレワークの導入、インセンティブの支給やワークライフバランスを意識した取り組みなど、柔軟に働ける環境や頑張りを評価される制度を積極的に取り入れています。
とはいえ、アパレル業界の現状はまだまだ改善するべき点が多く、労働環境を良くしていくための取り組みは今後も継続していかなければいけません。
アパレル業界が厳しいといわれる一番の理由は、「給料の低さ」ではないでしょうか。
アパレル販売員を例にあげると、給料は20万円前後となるため、決して稼げる仕事とはいえません。
その割に仕事内容は、ノルマや売上目標などが課せられるため、プレッシャーやストレスを感じやすく、「仕事内容に対して給料が見合っていない」と感じる人も多いでしょう。
アパレル業界は体力がないと、続けるのは難しいのが現状です。
シーズンごとに新作が発売されるため、商品企画や販売計画を立てたり、レイアウトの指示やメディア対応など、常に忙しいのがアパレル業界の特徴といえます。
特にアパレル販売員の場合は、常に立ちっぱなしの状態になるため、体力の負担を感じやすいでしょう。若い頃は乗り越えられたとしても、年齢を重ねるにつれ、体力的にきつく感じて辞める人も少なくありません。
アパレルの本社職は土日祝休みで、お盆や年末年始も休みになることが多いですが、アパレル販売員の場合はその逆。基本的に土日祝は出勤で、世間が休みの期間は稼ぎ時となるため、休むことができないのが現状です。そのため、友達や家族と休みが合わずにプライベートの予定が立てられないことに、不満を感じる人も多いでしょう。
ただ、その分平日が休みになるため、混雑を避けて旅行ができたり病院に通えるなどのメリットもあります。
休日休暇の問題はアパレル販売員の悩みの一つのため、入社前に有給やフレックス休暇などを取得できる職場環境であるかをチェックしておく方が良いでしょう。
アパレルの本社職に就けるのはごく一部の人しかいません。アパレルの本社職は人気の仕事のため、倍率も高く、希望する企業の職種に就くのはかなり狭き門だといえるでしょう。
アパレル販売員からキャリアチェンジをして、本社職に就く人もいますが、ごく稀なケースです。そのため、アパレル業界でキャリアアップをするのは難しく、他の仕事に転職する人も多くいます。
正社員登用を積極的に行っていたり、社内公募により本社職にチャレンジできる環境が整っているなど、キャリアアップに関しての実績がある企業を選ぶことが大切です。
女性が多い職場のため、人間関係で悩みを抱える人もいます。女性特有の陰湿な嫌がらせや派閥などがあると、いくら仕事が楽しくても辞めざるをえない場合も。
また、ノルマ達成のために必要以上にプレッシャーを与えられたり、パワハラやモラハラを受ける人もいるようです。
全てがそのような環境ということではありませんが、様々な要因が絡みあって人間関係がこじれたり、上司との関係が上手くいかないことがきっかけで、アパレル業界を去る人も少なくありません。
アパレル業界は華やかそうに見えますが、厳しい面があるのも事実です。もちろん仕事にやりがいを感じたり、「好き」を仕事にできる楽しさはあるため、アパレル業界ならではの魅力もあります。
これからアパレル業界を目指す人は、憧れだけではなく厳しい部分があることも覚悟の上で、自分の目標や夢を明確にすることが大切です。働く前に入念にリサーチすることで、入社後のミスマッチを防げるため、給料や待遇、職場環境やキャリアアップについてなど、細かく調べるようにしましょう。