
アパレル業界の中には、子供服を取り扱う店もあります。子供服のターゲット層は当然ながら子供になりますが、実際に接客をするのは大人が対象です。そのため、取り扱う商品は子供向けでも、アパレル販売員と同様に接客スキルが必要になります。
今回は、子供服店の接客や好感を持たれる声かけのやり方をご紹介します。
INDEX
子供服店の接客の第一段階は、声かけです。まずはお客様の来店時に「いらっしゃいませ」「手にとってごらんください」などの、挨拶や簡単な声かけを行います。これを「ファーストアプローチ」と言います。
ファーストアプローチは、適切なタイミングで行わなくてはいけません。お客様に警戒されたり不快に思われたりしないよう、明るく笑顔で声かけを行うのが理想です。
子供服の販売では「ニーズに合った接客」が求められます。お客様はどんな目的があって、どのような商品を探しているのかを、正しくくみ取るのが子供服の販売員の役割です。
そのためには、お客様とコミュニケーションをとる必要があります。お客様の求めることをヒアリングし、一人一人に合った提案を行うのが接客の基本です。

子供服の販売員に接客が重視される理由は、お客様に「付加価値を提供する役割」があるからです。近年はインターネット上で買い物ができる時代で、子供服もオンラインショップで購入することができるため、実店舗を利用する人は減ってきているのが現実。
いつでもどこでもインターネットで買い物ができる今だからこそ、子供服の販売員には「接客でいかにお客様に満足してもらえるか」を考え、接客スキルを向上させることが求められるでしょう。
さらに、接客が良い店は他店との差別化も図れます。接客スキルが高い店は顧客満足度を高め、また、評判が上がることで新たな顧客獲得にもつながるでしょう。
子供服の販売員が心得ておく、接客の基本は「お客様のニーズに合った商品の販売をする」ということ。個人的な好みや主観を優先するのではなく、お客様の希望や求めることをヒアリングした上で、最適な商品を提案するのが販売員の仕事です。
自分の経験や販売員としての立場でのアドバイスをすることも大切ですが、お客様のニーズに合った接客をすることを、何よりも大切にしなくてはいけません。
接客をする上でこの部分を正しく認識しておかないと、押し売りのような形で商品を販売したり、お客様が不快に感じる接客をしてしまったりと、本来あるべき販売員の姿からかけ離れてしまうため、接客の心得として覚えてきましょう。
子供服の販売員には、接客マナーが求められます。お客様に好感を持ってもらえる接客をするためには、接客トーク以外にも表情や態度、声のトーンや話し方、身だしなみなど様々な配慮が必要です。
お客様が来店したら笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけるのが、接客の基本です。挨拶で店の印象が決まるため、お客様の目を見て元気よく行いましょう。
そのあとはお客様の動向を観察し、適切なタイミングでファーストアプローチをします。商品を手にとって見ているお客様がいたら「よろしければご試着できますよ」と声かけをし、適度な距離感を意識しつつ、接客につなげましょう。
販売員の態度は、お客様にチェックされています。ふとした瞬間の仕草や行動の印象が悪いと、店の評判を落とすことにもなりかねません。
また、販売員がずっと立ったままの状態で待ち構えていると、お客様は店に入りにくいと感じます。服をたたみ直したり店内を歩いたりと、何かしらの動作を行っている方が入りやすい雰囲気になるため、お客様がいない時でも常に見られている意識を持つことが大切です。
笑顔で愛想良く対応するのが、接客の基本です。疲れたり余裕がなくなったりすると表情にも出やすいため、常に笑顔でいることを心がけましょう。
接客では、丁寧な言葉遣いや正しい敬語の使い方が求められます。特に間違った敬語の使い方を意味するバイト敬語は、お客様を不快な気持ちにさせてしまうため注意が必要です。
接客には、どの接客業でも使用する基本の7大用語があります。お客様とのやり取りで使用する機会の多い言葉なので覚えておきましょう。
接客7大用語
①いらっしゃいませ
②ありがとうございます
③かしこまりました
④恐れ入ります
⑤申し訳ございません
⑥少々お待ちください
⑦お待たせいたしました
接客では、お客様に好印象を与える身だしなみを心がける必要があります。清潔感のある服装や髪型を意識し、身だしなみへの配慮を忘れないようにしましょう。
接客ではお客様と円滑にコミュニケーションをとる必要があります。お客様のニーズを知るためには、積極的にコミュニケーションをとって好みや目的をヒアリングしなくてはいけません。
さらに子供服の販売員には、大人だけでなく子供ともやりとりを行う機会も多いため、コミュニケーション能力は欠かせないスキルといえるでしょう。
お客様が商品を選ぶのに悩んでいたら、「こちらの商品はいかがですか?」「着回しできるのはこちらがおすすめです」など、提案してあげることが大切です。
強引な提案は押し売りのような接客になってしまうため、お客様の購入の決断を後押しできる提案が望ましいでしょう。

・「こちらの商品は◯◯円です」
・「よろしければお子様に合わせてごらんください」
・「ごゆっくりごらんくださいませ」
・「もし何かお聞きになりたいことがあればお気軽にお声かけください」
・「後方にSALEアイテムをご用意しています」
・「ご来店ありがとうございます
・「こちらは新作で、カラーは◯色ございます」
・「こちらの商品、かわいいですよね」
・「お子様のサイズをお持ちいたしましょうか?」
・「どうぞごゆっくりごらんください」
・「他のサイズも試されますか?」
・「こちらの商品、◯◯ですよね」(商品に合わせた紹介)
・「何か気になる部分はありますか?」
・「他に似たテイストの商品もございます」
・「どのようなところで迷われていますか?」
・「他にも似たデザインの商品もございますよ」
・「機能性がよく、活発なお子様におすすめの商品です」
・「こちらは、季節問わずお使いいただけます」
・「リバーシブルでお使いいただけます」
・「こちらは大変人気の商品のためすぐに完売し、再入荷は見込めないかもしれません」
・「限定のデザインなので、今ある在庫限りとなります」
・「スカートをお探しですか?」
・「サイズは100cmでお探しですか?」
・「防寒性が高いので通学用におすすめです」
・「カジュアルなデザインでお探しであれば、◯◯はいかがでしょうか?」
・(雨の日に来店されたお客様に)「お子様のレインブーツはお持ちですか?」
・(サイズをチェックしているお客様に)「サイズをお伺いいたします」
接客で一番やってはいけないのは、一方的に商品を勧めたり強引に買わせようとしたりすることです。売上を伸ばそうすると強引な接客になりがちですが、お客様は「無理やり買わされた」という認識になるため、二度と来店してくれることはないでしょう。
自分本位ではなく、お客様に寄り添った接客を意識することが大切です。
・「こちらの商品にするべきです」
→「〜べき」と決めつける表現はふさわしくありません。
・「ご購入されますよね?」
→強引に購入に導く接客は不快感を与えてしまいます。
・「絶対に似合います」
→「絶対」という表現は威圧的な上に、押し売り感が強いので控えましょう。
・「そちらよりもこちらの方が良いですよ」
→根拠や理由もなく、お客様の好みを否定する表現はNGです。

子供服店の接客では基本の接客マナーを踏まえた上で、子供への接し方にも気を配らないといけないので、アパレル販売員とはまた違ったスキルが求められます。
子供が好きな人はやりがいや楽しさを感じながら働くことができるため、子供服の販売員に挑戦してみてはいかがでしょうか?