靴屋の販売員になるためには、接客スキルが必要です。ただ、接客の基本や声かけのやり方がイマイチわからず、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
今回は、靴屋の販売員に必要な接客ノウハウや声かけ例について解説します。
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靴屋の接客では、来店したお客様にいきなり商品説明をするのではなく、簡単なお声かけから始めるのが理想です。お客様に「いらっしゃいませ」と笑顔で声をかけ、「手にとってごらんください」「鏡で合わせてごらんください」などの簡単なお声かけを行います。これを「ファーストアプローチ」と言います。
ファーストアプローチは接客の第一段階として重要な役割があるため、タイミングを見て適切な声かけが求められるでしょう。
接客ではお客様の求めることをヒアリングし、一人一人に合った提案を行う必要があります。お客様は「どのような商品を探しているのか」「どんな目的で使用するのか」「予算はどれくらいで探しているのか」「好きなメーカーは何か」などを、接客しながら探ることで、ニーズを把握することができます。
購入を迷っている人や自分に合う靴がわからない人など、お客様の悩みや要望に合った提案を行うことが、靴屋の販売員に求められるスキルです。
オンラインショップでも買い物ができる今、靴屋の販売員の接客に求められることはお客様に「付加価値」を提供することです。オンラインショップでは把握できない商品の特徴や知識は、販売員の接客でしか伝えられません。実際に手にとって見たり試着できたりするのも、実店舗ならではの付加価値といえるでしょう。
お客様に満足していただける接客をすることで、店の価値や評判も上がり、さらなる顧客獲得にもつながります。接客が良い店は他店との差別化も図れるため、販売員の個々の接客スキルを磨くことが大切です。
お客様を笑顔でお迎えし、商品説明や提案を行なって商品の販売をするのが、接客の基本の心得です。接客では表情以外にも声のトーンや話し方、言葉遣いや態度、身だしなみなど様々なことに気を配る必要があります。
接客の心得をマスターし、お客様のニーズに合った提案や対応ができるのが一流の販売員といえるでしょう。
挨拶は接客の基本です。お客様の目を見て笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけるのが、接客の第一段階となるため、元気よく行いましょう。
お客様の動向を見て適切なタイミングで、「よろしければ手にとってごらんください」「本日はどのような靴をお探しですか?」などのファーストアプローチをします。
接客において挨拶は大切な役割があるため、お客様を不快にさせない声かけを意識しましょう。
販売員のふとした仕草や行動、態度などは、お客様からチェックされています。接客では、常に見られている意識を持つことが大切です。
お客様がいない時に立ちっぱなしでいるのではなく、商品を陳列したり店内を歩いたりと、何かしらの動作を行なっている方が、入りやすい雰囲気になります。これを「動的待機」と言います。
接客する時以外も態度や行動には気を付けるようにしましょう。
接客ではどんな時でも笑顔で対応しなくてはいけません。口角を上げてにこやかな表情を意識することがポイントです。
疲れを感じると表情が曇りがちですが、暗い顔で接客するのはNG。接客では表情管理も意識しましょう。
接客には基本の7大用語があります。どの接客業でも共通して使う言葉なので、しっかり覚えておきましょう。
接客7大用語
①いらっしゃいませ
②ありがとうございます
③かしこまりました
④恐れ入ります
⑤申し訳ございません
⑥少々お待ちください
⑦お待たせいたしました
接客では身だしなみにも気を遣う必要があります。お客様を不快にさせないためには、清潔感のある服装や髪型を意識しなくてはいけません。
靴屋の販売員の服装は自由であることが多いため、私服で勤務できますが、身だしなみへの配慮を忘れないように心がけましょう。
お客様と円滑にコミュニケーションをとることが、商品の販売につながります。ただ商品を勧めるのではなく、お客様の普段の生活や好み、要望などを聞き出して、積極的にコミュニケーションをとるのが理想的な接客です。
そのため、コミュニケーション能力は、靴屋の販売員にはなくてはならないスキルといえるでしょう。
お客様の求めることに対し、適切な提案ができてこそ一流の販売員です。どのような商品を求めていて、何が希望なのかを聞き出し、一人一人に合った提案を行うためには提案力が必要不可欠になるでしょう。
・「よかったらお試しくださいね」
・「ごゆっくりごらんくださいませ」
・「もし何かお聞きになりたいことがあればお気軽にお声かけください」
・「こちらの商品は◯◯円です」
・「後方にSALEアイテムをご用意しています」
・「ご来店ありがとうございます」
・「こちらはとても人気の商品で、カラーは◯色ございます」
・「こちらの商品、かわいいですよね」
・「◯◯(ブランド名)の靴をお探しですか?」
・「こちらのブランドは大きめ(小さめ)の作りなので、一度履いてみますか?」
・「どうぞごゆっくりごらんください」
・「他のサイズも試されますか?」
・「こちらの商品、◯◯ですよね」(商品に合わせた紹介)
・「何か気になる部分はありますか?」
・「他に似たテイストの商品もございます」
・「どのようなところで迷われていますか?」
・「他にも似たデザインの商品もございますよ」
・「シンプルなデザインなので履き回しができる商品です」
・「とてもお似合いです」
・「こちらは、季節問わずお使いいただけます」
・「◯◯としてもお使いいただけると思います」(例:きれいめなデザインなので仕事にも使えます)
・「お客様の雰囲気ですと、こちらの商品の方がお似合いです」
・「こちらは大変人気の商品のためすぐに完売し、再入荷は見込めないかもしれません」
・「限定のデザインなので、今ある在庫限りとなります」
・「スニーカーはよく履きますか?」
・「シンプルなデザインがお好みですか?」
・「お仕事用の靴をお探しですか?」
・「スタイルアップを目指すなら、ソールが厚い靴を選ぶのがおすすめです」
・「カジュアルなデザインでお探しであれば、◯◯(ブランド名)はいかがでしょうか?」
・(雨の日に来店されたお客様に)「レインブーツはお持ちですか?」
・(鏡で靴を合わせているお客様に)「よろしければ他のサイズもお持ちいたしましょうか?」
声かけをしてもお客様の反応がよくない場合は、緊張感を与えてしまっている可能性があります。お客様によっては、店員に声をかけられることに苦手意識がある人もいるため、できるだけ警戒心を解く接し方が望ましいでしょう。
そのためには、声かけの際の声のトーンを意識することがポイントです。低い声だとお客様は警戒してしまうため、いつもの自分の声よりもトーンを上げて、明るい印象を与えられる声かけを目指しましょう。
お客様が来店したら闇雲に声かけをするのではなく、タイミングを見計らって声をかけるのが理想です。声かけのタイミングは、店内を一通り見終わった時、商品を手に取った時、何かを探している素ぶりが見られた時などがあります。
お客様の動向をよく観察して、タイミングを伺って声かけをすると、スムーズに接客ができるでしょう。
接客は慣れるまでは緊張したり上手くできなかったりして悩むことも多いですが、経験を積めば自分なりの接客ができるようになります。靴屋で働きたい人は、ご参考にしてみてくださいね。