アパレル業界はファッションが好きな人にとって、誰もが憧れたことのある業界だと思います。自由におしゃれを楽しみながら働けるアパレル業界は、どのような仕事なのでしょうか?
今回は、アパレル業界について詳しく解説します。
INDEX
アパレル業界の解説の前に、そもそも業界とはどういう意味なのでしょうか?
業界とは「企業を産業ごとに分けたもの」を指しており、主に8つの業界で構成されています。
①メーカー
②商社
③小売
④金融
⑤広告・出版・マスコミ
⑥IT・通信
⑦サービス・インフラ
⑧官公庁・公社・団体
アパレル業界は衣料品の製造や販売を行う業界で、様々な業種で成り立っています。
アパレルメーカーは、衣料品の企画や生産、製造や卸売りを行う業種です。「オンワード」「パル」「ワールド」などの企業が挙げられます。
メーカーから仕入れた衣料品を販売する業種です。主に百貨店や量販店、セレクトショップなどがあり、ECも小売業に該当します。
SPAとは製造から販売までを自社で一貫して行う業態のことで、「ユニクロ」「GU」などが代表的な企業です。外部の企業を通すことがないため、その分コストを抑えることができ、低価格で商品の販売を行うことができます。
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、他社から依頼された製品の製造を行う業態です。一方でODM(Original Design Manufacturing)は、企画から製造までの全ての工程を行う業態を指します。
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お客様に接客をして商品の販売を行う職種です。商品説明やコーディネートの提案をして、お客様にブランドの魅力を伝える役割があります。
接客以外には、レジ業務、在庫管理、品出し、ディスプレイなどの業務も担当します。
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アパレル店員(販売員)とは?仕事内容・必要なスキルなど基本情報をチェック!
店長もお客様への接客を行いますが、スタッフの指導やシフト管理、店舗運営に関する業務も担当します。店の責任者という立場のため、お客様のクレーム対応やリーダーシップを発揮する場面も多くなるでしょう。
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アパレルの店長のお仕事内容は?アルバイトから店長までの道のりを紹介
スーパーバイザーは、担当エリアにある複数の店舗の運営業務や管理業務を行います。スタッフの教育や、新人の面接などの業務も担当します。
店舗と本社の橋渡し的存在でもあるため、柔軟な対応力が求められるでしょう。
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販売経験者のキャリアアップ!スーパーバイザーのお仕事って?
商品のデザインを担当するのが、デザイナーの仕事です。自社ブランドのコンセプトやトレンド、市場調査や販売戦略をもとにしてデザインを考える必要があります。
専門職のため、服飾専門学校を卒業した人が採用の条件になるでしょう。
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アパレル業界のデザイナーとはどんな仕事?
パタンナーは、パターン(型紙)の作成を行う仕事です。仮縫いや縫製仕様書の作成など、商品を形にするための重要な役割があります。
デザイナーと同様、専門的な知識と技術が必要になります。
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パタンナーの仕事とは?必要なスキル・経験など
商品の企画や開発を行う職種は、「MD(マーチャンダイザー)」「バイヤー」「商品企画」などが活躍します。消費者のニーズやトレンドの動向をリサーチし、ブランドコンセプトに合った商品を開発したり販売戦略を考えたりと、専門的な知識や経験が必要です。
これらの職種には、分析力、提案力、マーケティングの知識、情報収集能力、提案力などのスキルが求められるでしょう。
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MD(マーチャンダイザー)の仕事とは?必要なスキル・経験など
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アパレルの商品企画ってどんな仕事?
アパレル業界の広報の役割を担う職種は、「プレス」「マーケティング」「VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)」などが該当します。プレスは、自社ブランドの認知度を上げるためのメディア対応、プレスリリースや展示会の準備や運営を行います。
マーケティングは、市場調査や競合分析などを行って、売れる仕組みを考える仕事です。
VMDは、商品のディスプレイやレイアウトなどの視覚的な観点から、利益を生むための戦略を考えます。
これらの職種は、自社ブランドの魅力を伝える役割があるため、ブランドの知識や特徴を正しく把握する必要があります。また、臨機応変な対応力やファッションセンスなども求められるでしょう。
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アパレル業界でキャリアアップしたい人必見!VMDのお仕事って?
自社ブランドの商品を取引先に売り込む「営業職」や、資料作成や雑務を担当する「事務職」は、未経験でも可能ですが、コミュニケーション能力やビジネスマナーが求められる職種です。パソコンスキルがあると活躍の幅が広がるでしょう。
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アパレル営業職へ転職!仕事内容やメリット・デメリットは?
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アパレル業界の事務職とはどんな仕事?必要な経験・スキルなど
製造過程に携わる「生産管理」や、商品の在庫管理の業務を担当する「商品管理」といった職種もあります。素材の調達や納期管理、店舗ごとの適正在庫の割り当てや商品移動などを行うため、非常に責任のある仕事です。
判断力や管理能力が求められるため、これらの業務経験がある人は採用に有利になるでしょう。
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アパレル業界の職種一覧!販売員以外にどんな職種がある?
アパレルの業種を川の流れに例えて表すことがあります。「川上」「川中」「川下」の3つの区分で例えられるため、アパレル業界で働きたい人は構造を理解しておきましょう。
【川上】…生地や糸などの素材の調達、製造を行う
・繊維メーカー、テキスタイルメーカー、テキスタイルコンバーターなど
【川中】…アパレル商品の企画、生産、PRを行う
・アパレルメーカー、OEM、ODM
【川下】…小売業
・ショッピングセンター、百貨店、ファッションビル、セレクトショップ、ECなど
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アパレル業界の流れを理解しよう!「川上・川中・川下」の仕事内容
ファッションが好きな人が活躍できるアパレル業界ですが、どのような魅力ややりがいがあるのでしょうか?
・好きを仕事にできる
・センスが磨かれる
・コミュニケーション能力が高くなる
・発信力が身に付く
アパレル業界で働ける魅力は、「好き」を活かして働けること。ファッションに興味がある人は、自分の感性や価値観を最大限に活かすことが可能です。
他の業界では、服装や身だしなみの規定が設けられている企業が多い中、アパレル業界は一人一人の個性やスタイルを尊重する社風が特徴なので、自分らしく働けます。
おしゃれに磨きをかければ、ファッションセンスも向上し、アパレル業界での活躍の幅も広がります。
また、コミュニケーション能力や発信力などの様々なスキルが身に付くことも、アパレル業界で働く魅力といえるでしょう。
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アパレル業界で働く魅力・メリット・デメリット
アパレル業界の給与水準は、他の業界に比べて低い傾向にあります。商品単価が低く利益が出にくいことや、業績によってボーナスの金額が変動しやすいことも、給与の低さの背景にあると考えられるでしょう。
また、労働環境や仕事内容に対して給与が見合っていないと感じる人が多いのも、アパレル業界の厳しい現実です。
アパレル販売員の場合、キャリアアップの道は店長やスーパーバイザーを目指すのが一般的です。もしくはキャリアチェンジをして、本社職に挑戦することもできるでしょう。
ただし、アパレル業界のキャリアアップは狭き門のため、限られた人しか目指せないのが現状です。実績やタイミングも必要になるため、誰もがキャリアアップできるとは限りません。
そんな中でキャリアを形成していくためには、向上心を持ってどんな仕事にも積極的に取り組む必要があるでしょう。
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アパレル業界が厳しいと言われる理由
アパレル販売員の働き方を例にすると、シフト制の実働8時間勤務が基本です。店の営業時間に応じた勤務時間になるため、出勤や退勤の時間は店舗によって異なります。
アパレル販売員の休日事情は、土日や祝日は出勤しなくてはいけないため、休みは平日に取ることができます。
若い世代が活躍しているイメージが強いアパレル業界ですが、年齢に応じて働く環境を変えることで、長く続けることが可能です。
長く続けるためには、顧客のターゲット層と自分の年齢がマッチするブランドを選んだり、店長やスーパーバイザーのポジションを目指したりすると、年齢を重ねても働くことができます。
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アパレル業界の働き方|働きやすい人気企業の特徴まとめ
2月は閑散期のため、セールの売れ残りを消化する時期です。3月になると春物の入荷も始まるため、客足が戻ってきます。卒業・入学や新生活が始まるシーズンなので、フォーマルアイテムの需要が高まるでしょう。
5月はゴールデンウィークがあるので、連休期間は混雑します。6月になるとプレセールが開催されます。7月になると本格的なセールが始まるため、非常に忙しくなるでしょう。
8月は引き続きセール商品の販売を行います。夏休み期間なので、学生や家族連れなどが来店する割合が増える時期です。
9〜10月は秋物の新作が入荷しますが、セール後ということもあり、閑散とした日が多いでしょう。
11月になるとひんやりとした日も多くなるため、カーディガンやアウターの需要が高くなるでしょう。
11月後半からはブラックフライデーのセールが開催され、12月に突入するとプレセール
が行われます。年末は福袋や初売りの準備が始まるため、忙しい時期といえます。
1月は、福袋の販売や初売り、さらにセールがスタートするため、非常に忙しくなるでしょう。
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アパレル業界の年間スケジュール!繁忙期・閑散期・求人募集の時期は
アパレル業界のキャリアアップにはどのような道があるのでしょうか?
販売員からキャリアアップをする場合、店長やスーパーバイザーを目指すことができます。
店舗運営やスタッフ育成などの業務に携わることができるため、責任ある仕事が多くなります。
役職手当がつくため、給与やボーナスもアップするでしょう。
販売員の経験や実績を活かして、本社職にキャリアチェンジすることも可能です。いずれは本社で仕事をしたいと考えている人は、社内公募制度がある企業を選ぶとよいでしょう。
アパレル業界で培った経験を活かして、スキルアップを目指した転職をするのも一つの選択肢です。例えば、販売員で身につけたコミュニケーション能力は、異業種でも活かすことができます。
接客業や受付業、営業職など幅広いジャンルで活躍できるため、自分のスキルを活かして今よりも好条件で働ける職場を探しましょう。
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アパレル業界でステップアップしたい。どんな道がある?
アパレル業界は華やかな印象が強いですが、深刻な問題を抱えているのが現状です。他の業界に比べて、給与や待遇がよくないと言われるアパレル業界では慢性的な人手不足に陥っています。さらには、余剰在庫や大量生産による環境破壊も社会問題の一つとして、真剣に向き合っていかなければいけない課題です。
今後は、アパレル業界の労働環境の見直しや、環境に配慮した取り組みを積極的に行っていくことが必要不可欠になるでしょう。
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アパレル業界が抱える問題とは?
・コミュニケーション能力が高い人
・ファッションに興味がある人
・細かい作業が得意な人
・情報収集能力に長けている人
・好奇心旺盛な人
・ファッションに興味がない人
・土日祝は休みたい人
・体力がない人
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アパレル業界に向いている人・向いていない人の特徴
自分の性格やスキル、これまでの経験などを振り返る作業を行なって、理想とする働き方や仕事を考えます。それらを踏まえて応募先を探し、企業理念やブランドコンセプトなどの下調べを行いましょう。
履歴書や職務経歴書を作成します。手書きでもパソコンでもどちらでも構いませんが、丁寧に書くことを意識しましょう。志望動機は、具体的なエピソードを交えて書くと効果的です。
面接を受ける前に、シミュレーションを行なって入念に対策をしておきましょう。逆質問も考えておくと安心です。
内定が決まったら、入社する意思を応募先に伝えます。
現在の職場に退職したい旨を伝え、事務手続きや業務の引き継ぎを行います。
退職時には、お世話になった同僚や上司に挨拶することを忘れずに。
入社日までに、必要な書類を揃えたり準備をしたりと、できることをやっておきましょう。事前の準備を入念に行なっておくと、新しい環境でも落ち着いてスタートできます。
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アパレル業界への転職活動|自己分析・面接・内定・退職の進め方
アパレル業界で働くなら知っておきたい基本情報をご紹介しました。今後アパレル業界を目指す人は、ぜひご参考にしてみてくださいね。