アパレル業界には、販売職以外にも様々な職種があります。数多くある職種の中から、自分に合う仕事や販売職以外の働き方について、興味がある人も多いのではないでしょうか?
今回は、アパレル業界の職種の種類と仕事内容を、全てご紹介したいと思います。
INDEX
アパレル(apparel)とは英語で「衣料品」という意味があります。主に既製服のことを指しています。アパレルの語源はラテン語のアパラーレ(appreiller)からきており、儀式で正装として着用する衣服を表していたため、元々は「準備する」という意味で使われていたそうです。
日本では衣料品を取り扱う業界や仕事のことを、「アパレル」と呼んでいます。ちなみに「ファッション」もアパレルと似た言葉ですが、衣料品以外にもライフスタイル全般を指して使うことが多いでしょう。
「川上」
繊維メーカーや生地メーカーで、アパレル商品で使用される生地や素材の調達や、原料の生産を行います。
「川中」
主にアパレルメーカーのことで、川上で作られた素材を元に商品を製造します。
「川下」
小売業を指しており百貨店や専門店、小売店が当てはまります。この中で唯一、消費者と直接関わることができます。
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アパレル業界とは?構造や仕事内容などを紹介
販売職は、お客様に接客をして商品の販売を行う仕事です。接客スキルや正しい商品知識が求められます。勤務地は、百貨店、ファッションビル、ショッピングモール、アウトレット、路面店などがあり、早番・遅番のシフト制で働くのが一般的です。
販売職は未経験でもスタートできる仕事のため、アパレル業界に興味があれば誰でも挑戦することができます。販売職から経験を積んで、店長やエリアマネージャーにキャリアアップすることができたり、狭き門ではありますが本社職へキャリアチェンジしたりと、ステップアップできる仕事です。
アパレルの専門職は、デザイナーやパタンナーなどの専門的な技術が必要になる仕事です。そのため、服飾専門学校を卒業した人や経験者が採用の条件となる場合が多いでしょう。
専門職だと技術面のスキルがあれば問題ないように思われがちですが、他の部署や社外の人とやりとりをする機会も多いため、コミュニケーション能力も求められます。また、納期までに制作することが必須なので、期日を守ることも専門職の基本です。
アパレルの総合職は、プレス、営業、MD、バイヤーなどの職種を指します。本社職とも呼ばれるため、アパレル業界の花形ポジションの仕事も多いでしょう。
ただし、販売職と比べると本社職の求人の数は少なく、また人気の職種のため競争率も非常に高いのが現実です。学歴は大卒を条件にする企業も多く、中途採用の場合は経験者しか採用しない場合もあります。
販売員は、お客様に接客をして商品の販売を行う仕事です。お客様の要望をヒアリングして、コーディネートの提案や商品説明を行うため、自社ブランドの知識やファッションセンスが求められます。
接客以外にも、レジ業務、品出し、在庫管理、電話対応など、幅広い業務を担当します。
スキル | コミュニケーション能力 接客スキル |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
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アパレル店員(販売員)とは?仕事内容・必要なスキルなど基本情報をチェック!
販売員として経験を積んだら、店長にキャリアアップすることができます。店長は店舗の責任者としての役割があるため、売上管理やシフト管理、新人スタッフの面接などの業務も担当します。また、店長会議やディベロッパーとのやりとりも行います。
店長になると役職手当がついたり正社員になれたりと、仕事のやりがいや楽しさを感じる場面が増えるでしょう。
スキル | コミュニケーション能力 接客スキル マーケティング能力 リーダーシップ力 |
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経験 | 販売員の経験が必要 |
学歴 | 学歴不問 |
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アパレルの店長のお仕事内容は?アルバイトから店長までの道のりを紹介
スーパーバイザーは、店舗運営に関するリーダー的な役割の仕事です。エリアマネージャーと呼ぶこともあります。
スーパーバイザーの仕事内容は、担当エリアの店舗をいくつか受け持ち、売上管理やスタッフの指導などの様々な指示を出す必要があるため、責任感のある業務を任されます。
スーパーバイザーは、販売員や店長からキャリアアップするのが一般的です。
スキル | コミュニケーション能力 接客スキル リーダーシップ力 判断力 マネジメント能力 マーケティング能力 |
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経験 | 販売員、もしくは店長の経験が必要 |
学歴 | 学歴不問 |
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販売経験者のキャリアアップ!スーパーバイザーのお仕事って?
デザイナーは、自社ブランドのコンセプトや市場調査を元に、商品のデザインを考える仕事です。デザイン画を書いたり、MDやパタンナーと共に製作を進めたりと、専門的な技術以外にもコミュニケーション能力や柔軟な対応力も求められます。
デザイナーは、服飾専門学校を卒業している人やデザイナーの経験がある人が、採用の条件になるため、未経験からスタートするのは難しいでしょう。働きながら経験を積む場合は、アシスタントから始める人も多いようです。
スキル | デザイン画が書ける コミュニケーション能力 対応力 リサーチ力 |
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経験 | 経験者が有利 未経験者はアシスタントからスタートする |
学歴 | 学歴不問 服飾専門学校卒、短大卒以上 (デザインの勉強をした人) |
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アパレル業界のデザイナーとはどんな仕事?
パタンナーは、デザイナーが書いたデザイン画をもとに、パターン(型紙)を作る仕事です。また、仮縫いや縫製仕様書の作成など、納期までに作業を進めなくてはいけないため、デザイナーや他の部署と連携をとる必要があります。
デザイナーと同様、パタンナーにも専門的な知識や技術が求められます。パターンの作成で使用するCADという専用のソフトを使うための知識や、裁縫の技術も必要です。
スキル | パターンメイキング CADソフトが使える コミュニケーション能力 洋服作りの知識(裁縫・裁断・素材・デザインなど) |
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経験 | 経験者が有利 未経験者はアシスタントからスタートする |
学歴 | 学歴不問 服飾専門学校卒、短大卒以上(パターンの勉強をした人) |
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パタンナーの仕事とは?必要なスキル・経験など
アパレルのMDは、商品の販売戦略や予算管理、価格設定や生産計画などを考える仕事です。商品の売上に関わる、責任ある仕事内容を担当します。
MDでは、市場調査や様々なデータをもとに、販売戦略を立てなくてはいけないため、情報収集能力や分析力が欠かせません。自社ブランドの知識以外にも、マーケティングの知識も求められるため、専門的なスキルがある人や経験者が活躍できるでしょう。
スキル | マーケティング能力 分析力 情報収集能力 アパレル市場の知識 コミュニケーション能力 |
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経験 | 経験者が有利 |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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MD(マーチャンダイザー)の仕事とは?必要なスキル・経験など
バイヤーは商品の買い付けや仕入れを行う仕事です。国内外のブランドやメーカーから、商品の買い付けや仕入れを行うため、行動力やフットワークの軽さが求められます。また、体力や交渉力も必要になるでしょう。
お客様のニーズや市場調査をもとに、売れる商品を仕入れるためには、優れた目利きや先を読む力が求められます。
スキル | 情報収集能力 行動力 ファッションセンス コミュニケーション能力 語学力 |
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経験 | 経験者が有利 未経験者はアシスタントからスタートする |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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アパレル業界の人気職!バイヤーってどんな仕事?誰でもなれる?
商品企画は、自社ブランドのコンセプトや消費者のニーズに合った商品を企画・開発する仕事です。企業によっては、ファッションプランナーやアパレルプランナーと呼ぶこともあります。
商品の企画をする上で、販売計画や戦略なども含めて考える必要があるため、MDやデザイナーと共に業務を進めることも多いでしょう。
スキル | コミュニケーション能力 提案力 プレゼン力 情報収集能力 マーケティング能力 ファッションセンス |
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経験 | 経験者が有利 |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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\商品企画の仕事の詳細はこちらから/
アパレルの商品企画ってどんな仕事?
商品の在庫や生産に関する、管理業務全般を行うのが商品管理の仕事です。それぞれの店舗の適正在庫の割り当てや、店舗や倉庫間の商品移動の手配などを担当します。
商品管理の仕事はDB(ディストリビューター)と呼ばれることもあり、いわば商品管理の司令塔的存在です。
商品管理の仕事をする上で、数値データの分析やマーケティングに関する専門的な知識が必須になるため、実務経験がある人は採用に有利になるでしょう。
スキル | 分析力 判断力 マーケティング能力 リーダーシップ力 コミュニケーション能力 |
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経験 | 経験者が有利 |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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アパレル業界の商品管理ってどんな仕事?やりがいや大変なことは?
生産管理は、商品の生産過程に関わる仕事です。主に、納期管理、素材調達や発注、縫製工場とのやりとり、コスト管理などの業務を担当します。
商品の生産に関する業務が中心のため、工場とのコミュニケーションが重要です。価格交渉や納期の連絡など、円滑なやりとりが求められます。
スキル | 交渉力 コミュニケーション能力 管理能力 提案力 洋服作りや素材の知識 |
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経験 | 経験者が有利 未経験者はアシスタントからスタートする |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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\生産管理の仕事の詳細はこちらから/
アパレル業界の生産管理とはどんな仕事?やりがい・スキル・適性について
プレスは、自社ブランドや商品を宣伝する役割がある仕事です。展示会の準備や対応、プレスリリース、雑誌やテレビのメディア対応などの表に立つ仕事が多いため、アパレル業界の中でも花形といわれています。
ただ、資料作成や事務作業などの裏方の業務も多いため、柔軟な対応力とマルチタスク能力が求められるでしょう。
スキル | コミュニケーション能力 プレゼン力 ファッションセンス 対応力 マルチタスク能力 |
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経験 | 経験者が有利 未経験者はアシスタントからスタートする |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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アパレル業界のプレスとは。仕事内容や必要なスキルについて
VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)は、商品のレイアウトやディスプレイなど、視覚からお客様の購買意欲を刺激して、売上を伸ばすための効果的なプランを考える仕事です。
お客様の動向や動線のデータをもとに、売上につながるVMDプランを考えたり、店舗にディスプレイやレイアウトの指示を出したりと、専門的な知識や経験が求められます。
客観的な視点と分析力が必要になるため、数字に強い人やデータ解析が得意な人が活躍できるでしょう。
スキル | コミュニケーション能力 プレゼン力 ファッションセンス 対応力 マルチタスク能力 |
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経験 | 経験者が有利 未経験者はアシスタントからスタートする |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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\VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)の仕事の詳細はこちらから/
アパレル業界でキャリアアップしたい人必見!VMDのお仕事って?
マーケティング職は、市場調査を元に販売戦略を練ったり、顧客ニーズに合った商品やサービスを考えたりと、アパレル企業の利益を生み出す上で欠かせない仕事です。
マーケティング職に就くためには、専門的な知識や経験が必要になるため、マーケティングに関する実績がある人が採用に有利になります。
スキル | マーケティング能力 分析力 提案力 コミュニケーション能力 情報収集能力 プレゼン力 |
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経験 | 経験者が有利 |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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アパレル業界のマーケティングとは何をする仕事?求められるスキルとは?
アパレルのECサイト運営では、オンラインショップの運営業務や商品の発送業務などを行います。ECサイトで販売する商品の撮影・採寸・原稿を行うささげ業務や、商品の登録、SNSを使ったプロモーションなど、幅広い業務があります。
実店舗を持つアパレル企業のECサイト運営もあれば、オンラインショップのみで販売を行うアパレルショップもあり、後者の場合だと商品企画や仕入れ、ポップアップショップの準備なども仕事に含まれるでしょう。
スキル | Webマーケティングの知識 ITスキル 情報収集能力 コミュニケーション能力 マルチタスク能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
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\アパレルECの仕事の詳細はこちらから/
アパレルECになるには?未経験からでも働ける?
アパレル業界の営業は、メーカーや卸問屋に勤務し、百貨店やセレクトショップなどに商品を売り込む仕事です。商品の魅力を的確に伝える必要があるため、自社ブランドの知識がないと営業活動は行えません。
基本的に営業は外回りが多いため、フットワークが軽く、体力に自信がある人に向いています。会社に帰ったら、事務処理や資料作成を行うこともあるため、業務内容に応じて柔軟に対応する必要があります。
スキル | コミュニケーション能力 提案力 プレゼン力 マルチタスク能力 情報収集能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 大卒以上(学歴不問も多い) |
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アパレル営業職へ転職!仕事内容やメリット・デメリットは?
アパレルの事務職で、書類作成や雑務などの業務を行う一般事務。そのほかにも、データ入力、来客対応、電話対応、ファイリング、備品管理などの業務を担当します。
基本的なパソコン操作やビジネスマナーがあれば、未経験でも働くことが可能です。
スキル | コミュニケーション能力 基本的なパソコンスキル ビジネススキル 事務処理能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
アパレルの営業事務は、営業職のサポートを行う事務職です。営業活動を円滑に行うための書類や資料作成、クライアントへの連絡や対応、見積書や請求書の作成などの業務があります。
未経験でも始めることができますが、営業職のサポートをする以上、営業の仕事内容を把握しなくてはいけないため、専門的な知識や言葉を理解する必要があります。また、企業によっては営業に同行する場合もあるでしょう。
スキル | コミュニケーション能力 パソコンスキル(Word・Excel・PowerPoint) ビジネススキル 対応力 事務処理能力 マルチタスク能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
アパレルの人事では、社員の異動・退職・採用に関する手続きを行ったり、給与の処理や手続きを行ったりする部署です。データ入力や書類作成が中心のため、正確性が求められます。
個人情報の管理も多いため、慎重かつ責任感を持って取り組む必要があるでしょう。
スキル | ビジネススキル パソコンスキル(Word・Excel・PowerPoint) コミュニケーション能力 事務処理能力 マルチタスク管理 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
アパレルの総務は、社員が快適に働けるための環境作りや会社運営を行う部署です。主に、パソコンや電子機器などの備品・設備の管理、衛生管理、社内イベントの準備や運営などを担当します。
スキル | ビジネススキル パソコンスキル(Word・Excel・PowerPoint) コミュニケーション能力 マルチタスク能力 事務処理能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
アパレルの経理は、経費の精算や帳簿作成、伝票の仕分けや処理など、社内のお金の動きを正確に管理する部署です。事務職の中でも経理の仕事は、特にミスが許されないため、正確性や責任感が求められます。
専門的な知識やスキルが求められるため、経験者や簿記の資格がある人は採用に有利になるでしょう。
スキル | パソコンスキル(Word・Excel・PowerPoint) 事務処理能力 ビジネススキル 簿記の資格(なくても可) コミュニケーション能力 マルチタスク能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
アパレルの財務は、経営計画をもとに資金調達や予算決めを行う部署です。経理との違いは、経理はすでに使用したお金の管理を行うのに対し、財務はこれから使用するお金の管理や調達を行います。
企業によっては、経理と財務が分かれていない場合もあるようです。
スキル | パソコンスキル(Word・Excel・PowerPoint) 事務処理能力 ビジネススキル 簿記の資格(なくても可) コミュニケーション能力 マルチタスク能力 |
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経験 | 未経験OK |
学歴 | 学歴不問 |
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アパレル業界の事務職とはどんな仕事?必要な経験・スキルなど
アパレル業界にはたくさんの職種があることは把握できたと思いますが、「自分にどの仕事が合うのかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
自分に合う職種を見つけるためには、適性から探すことがポイント。自分のことを客観的に分析し、他の人よりも優れていると思う部分や得意なことが、あなたの「強み」です。
分析してわかった自分の強みをもとに、どの職種が向いているかをチェックしてみましょう。
・コミュニケーション能力が高い人→販売職向き
・発想力がある人→デザイナー向き
・手先が器用な人→パタンナー向き
・責任感が強い人→商品管理向き
・論理的思考ができる人→MD(マーチャンダイザー)向き
・分析力がある人→VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)向き
・対応力がある人→プレス向き
・提案力がある人→商品企画向き
・パソコンスキルがある人→ECサイト運営向き
・交渉力がある人→バイヤー向き
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\アパレル業界の職種選びの詳細はこちらから/
あなたに向いているアパレル業界の職種とは?適性から職種を見つける!
アパレル業界には、様々な職種があることがお分かりいただけたと思います。スキルや学歴が求められる職種もありますが、アパレル業界は実際に働いて経験を積むことを重視する傾向にあります。
未経験だとしても、まずは販売職から始めたりアシスタントからスタートしたりと、挑戦する道はいくつかあるため、仕事選びの際は入念にリサーチを行うことがポイントです。