アパレル店員(販売員)が退職をする時、どんなタイミングで伝えるべきなのでしょうか?お世話になった職場を辞める時は、マナーを守って円満に退職したいですよね。
今回は、アパレル店員(販売員)の円満退職のノウハウや退職挨拶の例文をご紹介します。
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アパレル店員(販売員)の給料は決して高いとはいえず、給料面に不満を感じて辞めていく人が多いようです。
しかもアパレル店員(販売員)は給料の中から、自社ブランドの服を購入しなくてはいけません。社割がきくとはいっても、生活することを考えると現実的に厳しく、転職を考えるようになります。
また、長く働いているのに給料が上がらないことを、不満に感じる人もいます。
給料以外にも待遇面に不満がある人もいます。「ボーナスがない」「まとまった休みがとれない」など、これらの待遇面の不満は、アパレル店員(販売員)として働くモチベーションが上がらない原因になってしまいます。
女性が多い職場環境ということもあり、人間関係に悩みを抱えて辞める人もいます。店長に不満やストレスを感じていたり、店の雰囲気がギスギスしていたりすると、長く働くことはできません。
ほとんどは円満な職場環境ですが、人間関係の悩みは辞める以外に選択肢がないのが現状です。
アパレル店員(販売員)としてなかなかキャリアアップができないことや、将来性に不安を感じるようになるのも、辞める理由の一つです。
一生懸命働いているのに、その頑張りを評価されないと働く意欲が下がり、「転職をした方がいいのでは?」と考えるようになります。
冷静に考えても辞めたいという気持ちに変化がなければ、次の転職先を見つけましょう。
アパレル店員(販売員)として身につけたスキルや経験を活かすのであれば、同じアパレル業界や接客業に絞って探すと、転職活動もスムーズにできます。
実際に行動に起こす前に、「次はどのような仕事をしたいのか」という点を明確にしておきましょう。
転職をするのにはそれなりのリスクが生じます。もし今の職場に不満があるということなら、別のブランドに異動を希望したり、キャリアチェンジすることを考えてみましょう。
アパレル店員(販売員)はどのブランドにもターゲット層やコンセプトが決められています。その部分に自分が合わないと感じるなら、違うブランドに異動すれば解決できる可能性があるため、上司に相談してみましょう。
また狭き門ではありますが、アパレル店員(販売員)から本社職を目指してキャリアチェンジをすることもできます。辞めること以外にも、社内で環境を変えるというのも一つの選択肢として考えてみましょう。
転職をすることを決めたなら、転職活動をスタートさせましょう。まずは自己分析を行って、自分の強みやスキルを客観的に分析する必要があります。
次に企業研究を行いましょう。企業の事業内容やコンセプトなどを調べ、自分の理想とする働き方ができる企業をピックアップします。これまでの経験や身に付けたスキルを活かせる企業を探すことが転職活動のポイントです。
転職活動では履歴書や職務経歴書が必要になるため、自分の強みや熱意をアピールするためにも、書き方のポイントをおさえて丁寧に書くようにしましょう。
転職活動に不安がある人は、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
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アパレル業界への転職活動|自己分析・面接・内定・退職の進め方
転職活動をして内定をもらえてから、退職に向けての行動を始めます。
上司に退職の意思を伝えます。入社日の2〜3ヶ月前には伝えましょう。
退職の意思を伝えた後に、退職届も提出します。退職理由と退職日を書いて、上司や人事部に渡しましょう。
自分の担当する業務や伝達事項を、後任者に引き継ぎます。
会社から支給されている制服や社員証、会社のパソコンやスマホなどを返却します。
退職時には、「源泉徴収票」「年金手帳」「雇用保険被保険者証」を受け取る必要があります。退職に関する事務手続きなども、会社の規則に従って行いましょう。
職場の同僚や上司、お世話になった人へ退職の挨拶をします。社外で交流があった人にも、忘れずに挨拶をして、これまでの感謝の気持ちを伝えましょう。
アパレル店員(販売員)にとって、繁忙期となる7月や12月〜1月頃はセール期間となるため、非常に忙しくなる時期です。そのためこの時期に人員不足になると、店としては大変困ってしまいます。
もし辞めたいのであれば、繁忙期を避けて伝えるようにしましょう。
内定の連絡が来た場合、内定承諾書にサインをして入社の意思を転職先に伝えてから、現在の会社に退職を伝えましょう。
内定がもらえていない段階で退職の手続きを進めてしまうと、転職先が決まらないまま退職の日をむかえてしまうリスクがあります。
そうすると、転職先が決まるまでの間、健康保険や国民年金などの加入の手続きをしたり、収入が不安定になったりと、なにかと負担が多くなるため、転職先から内定をもらってから退職を伝えましょう。
退職を伝えてすぐに会社を辞められるわけではありません。業務の引き継ぎや新しい人材の確保などの対応をしなくてはいけないため、常識的に考えて退職する2〜3ヶ月前に伝えるのがマナーです。
退職を伝えるのは、直属の上司に伝えましょう。アパレル店員(販売員)の場合は、店長に報告します。
退職を伝える場合、「相談があるためお時間を作っていただけますか?」と上司にアポをとりましょう。
アポをとるのは電話やメールでも構いませんが、退職の意思を伝える時は、直接会って2人きりで話ができる時間を作ってもらう必要があります。
退職の話はデリケートな話なので、静かに話ができる場所が好ましいです。社内であれば、会議室のような密室で静かな環境が望ましいですが、アパレル店員(販売員)の場合はバックヤードや館内の休憩室など、できるだけ2人で話せる場所で伝えましょう。
退職する時は、「退職意思」と「退職理由」を伝えます。また、転職先が決まっている場合は、「希望する退職時期」も伝えておくと、退職までのスケジュール調整ができるため、伝える内容をはっきりと決めてから話すようにしましょう。
具体的な転職先やネガティブな退職理由は、伝える必要がありません。マイナスなイメージを与えることや個人的な内容まで話してしまうと、スムーズに退職できなかったり引き止められたりする可能性も。
円満な退職を目指すためにも、余計なことは伝えないようにしましょう。
「お時間をいただきありがとうございます。お伝えしたい用件は、退職のご相談をさせていただきたいと思っております。
販売員として働いているうちに、商品を生産する側の仕事に興味を持ったため、転職を決意しました。これまでアパレル業界のノウハウや接客スキルについて学ばせていただいたことに、深く感謝しております。
急で申し訳ございませんが、退職時期や今後の引き継ぎについてご相談させていただけますか?」
上司に退職を伝える時は、時間を作ってもらったことへのお礼を伝えたあと、本題に入りましょう。おおまかな転職理由を述べて、これまでの感謝を伝えることがポイントです。
仲の良い同僚がいると、退職の意思を上司に伝える前に話したくなりますが、まずは上司に伝えるのがマナーです。上司に伝える前に同僚に話してしまうと、現場が混乱したり噂が広まったりと、トラブルを引き起こす原因にもなりかねません。
退職する時は、上司に「同僚に伝える許可」をもらってから話すのがルールです。自分一人の判断でペラペラ話すことのないように注意しましょう。
アパレル店員(販売員)が辞める時は、顧客にも伝える必要があります。リピーターで何度も来店してくれるお客様には、これまでの感謝を伝えて、今後も店を利用してもらうための声かけを行うとよいでしょう。
退職を伝えるタイミングは、上司である店長と相談して決めます。店によっては退職時に顧客へDMを送る場合もあるため、店のやり方に従って伝えるようにしましょう。
「退職届」と書きます。
二行目の下の方に「私儀」と書きます。
退職理由を書きます。「この度、一身上の都合により、勝手ながら20◯◯年○月○日をもって退職いたします。」と書くのが一般的です。
ちなみに退職願の場合は、「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」と文末の書き方が異なるので注意しましょう。
退職届は会社と相談して決めた日付、退職願は希望する退職日を書きます。
退職届を提出する日付を書きます。
所属している部署名と名前を書きます。アパレル店員(販売員)の場合は、店舗名を記入しましょう。
会社名と、社長の名前を「◯◯殿」と書きます。
退職届は、基本的には縦書きで書きます。記入が終わったら、白い封筒に入れて封をしましょう。封筒の表面には「退職届」と書いて、裏面には所属部署と名前を書きます。
封をした部分に「〆」と書くことも忘れずに。
封筒の書き方とポイント
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【例文あり】アパレル店員(販売員)の退職届・退職願の書き方と出し方
「この度、一身上の都合により、○月○日をもちまして退職させていただくことになりました。在職中は多大なるご指導とご鞭撻を賜り、誠にありがとうございました。
今後とも会社のますますのご発展をお祈り申し上げます。お忙しい中恐縮ですが、退職日まで何卒よろしくお願いいたします。」
「突然のお知らせとなりますが、この度一身上の都合により、○月○日に退職することになりました。在職中はみなさまのお力添えをいただいたこと、心より感謝しております。
今後ともこのご縁を大切に、仲良くさせていただけたら幸いです。
最後まで引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。」
「平素より大変お世話になっております。この度一身上の都合により、○月○日をもちまして退職させていただくことになりました。◯◯様には、私が新人の頃から温かいお言葉をかけていただきまして、誠にありがとうございました。
残り1ヶ月ほどで私は店を去りますが、引き続き当店のスタッフ一同、◯◯様にご満足いただけるよう尽力いたしますので、今後ともご贔屓のほどよろしくお願いいたします。」
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【例文あり】アパレル店員(販売員)の退職挨拶(上司・同僚・顧客)のポイント
仕事を辞める時はネガティブな退職理由になりがち。なにかしらの不満があり退職を決意するものですが、退職理由はできるだけポジティブな内容を伝えましょう。
「新たにやりたいことがある」「さらなるステップアップを目指して」などの退職理由であれば、受け入れられやすいです。また次の転職先の面接時にも、前職の退職理由を述べる際はポジティブな理由の方が好感を持たれます。
アパレル業界では入れ替わりが激しいため人手が足りない店も多く、そのような状況の時に退職をしてしまうと迷惑がかかってしまいます。できれば人材が足りており、引き継ぎもスムーズに行えるタイミングが望ましいでしょう。
アパレル店員(販売員)が退職をする時は、上司や同僚に迷惑がかからないように、段取りを決めて最後まで責任を持って働くことが大切です。
円満退職をするためには、ご紹介したポイントをおさえて常識ある行動を心がけましょう。